離婚意思が固まったら・・・

2024年4月14日

今回のテーマは離婚です。

「離婚する」と決意した場合にまずすべきことについてお話しします。

離婚をお考えの方は参考にしていただけますと幸いです。

「まずは別居」が定石

「離婚する」と決意した場合、本当は「まずは弁護士に話を聞きにいく」のが良いのですが、それだけではブログの意味がないですね。

すぐに専門家の話を聞けないとしても、大体のケースで間違いないだろうという進め方は、「相手に不貞がある場合でなければ、まず別居を準備する」ということになります。

実際のご相談でも、離婚を決意したけれども同居中という方に関しては、別居をご検討いただくことが多いです。

というのも、民法では「離婚原因」というのが770条で定められています。

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

上で掲げられているのが「離婚原因」と呼ばれるものですが、わかりやすいのが1号の不貞ですね。

ですが、不貞以外にもモラハラや家庭内暴力や経済的DVなどで離婚を決意される方も多くおられます。

その場合、ほとんどのケースで5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するとして離婚を主張します。

たしかに、モラハラなどは、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」になり得ます。

ただ、モラハラなどは不貞に比べて立証が難しく、相手が離婚したくないと強硬に主張してきた場合、これだけで離婚することは困難なことも多いです。

他方で、「長期間の別居」というのも、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たると考えられています。

したがって、モラハラなど1つだけでは離婚の立証が不十分となる可能性がある場合、「長期間の別居」の主張もできれば心強いことになります。

どのくらいの別居期間が必要か?

次に気になるのは、離婚原因として認められる「長期間の別居」とはどのくらいの期間のものを指すのか、ということだと思います。

これについてはなかなか断言が難しいところです。

というのも、別居だけで離婚原因を主張するケースはそれほどなく、多くのケースでは、そのほかにモラハラなども併せて主張します。

(何もないのに別居というご夫婦はそうそういないでしょう。)

ですので、感覚的な話になってしまいますが、別居以外の離婚理由が弱い場合で4~5年、別居以外にもそれなりの理由がある場合には1年~3年くらいが目安でしょうか。

なお、この期間は、基本的に別居開始から、裁判の「口頭弁論終結時」までの期間とされています。

「口頭弁論終結時」とは、すごくザックリ説明すると、証人尋問などが終わってあとは裁判官が判決を書くだけ、という裁判の最後の期日を指します。

だからといって別居後しばらくじっとしている必要はない

離婚原因として必要になる別居期間が上記のような期間だとしても、その期間が過ぎるまで何もしないで待っている必要はありません。

というのも、離婚は、裁判の前にまず調停をしなければなりません。

(もちろん可能であれば調停の前に協議を入れても良いです。)

調停が終わるまでには、早くても2、3カ月はかかると思います。

(初回期日前に相手方が絶対に応じないと連絡しているようなケースは、もっと早く不成立で終わるかもしれませんが。)

お子さんがいるケースなどではもっとかかります。

そのため、多くの場合で半年程度はかかってしまいます。

さらに、裁判では調停よりも時間がかかるケースがほとんどです。

そのため、調停の申立てから裁判の口頭弁論終結時までに1年以上を要するケースはザラにあります。

ですので、別居を開始したらすぐにアクションは起こすべきなのです。

アクションを起こしてからも時間はどんどん経過していきます。

そもそも、万が一、別居期間が足りないとして裁判で負けたとしても、一定期間経過後また裁判を起こせばいいので、アクションを起こさない理由はありません。

別居は有効な手段ですが、まずは弁護士に相談を

以上のとおり、別居しておくということは、離婚の手続を進めるにあたって、プラスになる要素です。

というわけで、別居は早めにしておくといいことが多いですが、財産分与や婚姻費用に関連して別居にあたって注意すべき点もあります。

また、不貞があるケースなどでは、まず証拠固めを行う必要がある場合もあります。

それらのご案内もありますので、できれば「離婚する」と決意された際には、まず弁護士に相談されることをお勧めします。

その際は私たちの優誠法律事務所を選択肢にいれていただければ幸いです。

優誠法律事務所では、離婚の初回相談は1時間無料ですので、お気軽にご連絡ください。

☎0120-570-670

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投稿者プロフィール

弁護士栗田道匡の写真
 栗田道匡 弁護士

2011年12月に弁護士登録後、都内大手法律事務所に勤務し、横浜支店長等を経て優誠法律事務所参画。
離婚や不倫に関するトラブルを多く担当してきましたので、皆様のお力になれるように、少しでもお役に立てるような記事を発信していきたいと思います。
■経歴
2008年3月 上智大学法学部卒業
2010年3月 上智大学法科大学院修了
2011年12月 弁護士登録、都内大手事務所勤務
2021年10月 優誠法律事務所に参画