弁護士に依頼することで示談金が増額した事例~兼業主婦~
皆様、こんにちは!
優誠法律事務所です。
今回からは、私たちが実際に解決してきた交通事故被害者の事例を基に、弁護士に依頼することによるメリットを具体的にご覧いただこうと思います。
まず、今回は、
●主婦(家事従事者)の休業損害に関して弁護士に依頼することによってどのようなメリットがあるか?
●通院慰謝料に関して弁護士に依頼することによってどのようなメリットがあるか?
について書いていきます。
同じようなことでお困りの方の参考になれば幸いです。
今回の依頼者~兼業主婦の事案~
今回の依頼者Aさんは、群馬県在住で
・週5日パートで働く兼業主婦
・事故による怪我は頚椎捻挫、腰椎捻挫
・治療期間は約4か月間(後遺障害の認定はなし)
でした。
自動車を運転して直進していたAさんは、道路左側のコンビニエンスストアの駐車場から出てきた加害者の自動車に衝突されてしまいました(過失割合は2:8)。
事故当日に、整形外科を受診したところ、頚椎捻挫、腰椎捻挫の診断を受けました。
Aさんは、中学生の娘さんと2人暮らしで、平日は毎日パートで働いていました。母子家庭ということもあり、怪我の治療期間中も生活のためにパートを休むことはできず、首や腰の痛みを我慢しながら働いていました。
Aさんは、事故から約4ヶ月間治療を継続しましたが、相手方保険会社からの治療費打ち切りの働きかけによって治療を終了するに至りました。
ご相談内容~兼業主婦の休業損害~
治療終了後、Aさんは、相手方保険会社から示談金額の提示を受けました。Aさんは、パートで働くいわゆる兼業主婦でしたが、相手方保険会社からは週30時間以上働いている人には主婦としての休業損害は一切支払えないと言われてしまいました。
しかし、兼業主婦も家事をしているのは専業主婦と変わらないのに、パートで働いているから休業損害がもらえないという点に納得ができませんでした。
また、慰謝料の額についても適正な金額がわからず、弁護士に相談されるに至りました。
【本件の争点】兼業主婦の休業損害、慰謝料
主婦(家事従事者)の休業損害とは?
私たちは、Aさんからのご依頼を受けて、主婦(家事従事者)の休業損害と慰謝料について、相手方保険会社と交渉することになったのですが、そもそも主婦(家事従事者)の休業損害などというものを考えたことがない方も多いと思いますので、まず、この点を解説します。
例えば、専業主婦の方が、自宅で家族のために家事をしても、誰かからお金をもらえる訳ではありません。しかし、主婦の方が家事をできないときに家政婦さんなどを雇うと家事にもお金が発生します。
そのため、主婦(家事従事者)の家事労働についても、女性の平均賃金程度の価値があるとされています。現在の女性の平均賃金は年収で約380万円ですから、365日で割ると、1日当たり約1万0400円となります。
ただ、怪我の内容によっては全く家事ができないという訳ではない場合もありますので、怪我による家事労働への影響を考えて休業損害の金額を決めることになります。
また、主婦(家事従事者)は、誰かのために家事をする人とされていますので、一人暮らしの方は家事従事者とはみなされません。なお、男性の主夫の方も家事従事者となります。
主婦であれば、基本的に専業主婦でも兼業主婦でも休業損害の対象になりますが、正社員で勤務している方の場合は主婦ではなく会社員(有職者)として扱われ、家事をしていても主婦(家事従事者)としての休業損害は認められないことが多いです。
特に、先程の女性の平均賃金より収入が高い方は、家事従事者の休業損害は認められません。
この主婦(家事従事者)の休業損害については、保険会社が提示して来なかったり、少額の提示をして来ることが多いので、弁護士が交渉することで増額するケースが多いです。
このように、主婦の方の場合は、慰謝料の増額に加えて、休業損害の増額も見込めますので、弁護士に依頼するメリットが高いと言えます。
Aさんの交渉結果~主婦の休業損害の認定・慰謝料増額~
Aさんがご相談いただく前に相手方保険会社から提示されていた示談金は約29万円でした。
Aさんの相手方保険会社の担当者は、週30時間以上働いている人には主婦(家事従事者)の休業損害は払わないという主張を展開していましたが、私たちは、ご依頼後に兼業主婦について主婦の休業損害が認められた裁判例を多数用意して交渉をしました。
また、通院慰謝料については、
・自賠責基準
・任意保険会社基準
・裁判所基準
がありますが、自賠責基準が最低限の補償、裁判所基準が一番高い基準となります。弁護士に依頼せずに被害者の方が直接保険会社と交渉する場合、相手方保険会社は、自賠責基準または任意保険会社基準(自賠責基準より多少高い基準)で提示してきます。
弁護士は、基本的に裁判所基準で交渉しますので、弁護士へご依頼いただくことで慰謝料の増額が期待できます。
Aさんの場合は、最低限の補償である自賠責基準で提示されていましたので、ご依頼後、裁判所基準まで増額するよう交渉しました。
その結果、最終的には、相手方保険会社に主婦の休業損害を認めさせることができ、通院慰謝料も裁判所基準満額に近い金額を獲得することができたので、Aさんは示談金額として73万円の支払いを受けることができました。
まとめ
今回のAさんの場合、弁護士に依頼しなければ、実際の示談金73万円の半分以下の金額(約29万円)で示談せざるを得ませんでした。
私たちにご依頼いただいたことで、主婦の休業損害も受け取ることができ、大変お喜びいただきました。
このように、交通事故被害者にとって、多くの場合、弁護士に依頼することにメリットがあります。一度示談してしまうと、もう取り消すことはできませんので、ぜひ示談前に一度弁護士に相談してみてください。
私たちの優誠法律事務所では、交通事故のご相談は無料です。
全国各地からご相談いただいております!お気軽にご相談ください。
他にも弁護士にご依頼いただいたことで示談金が増額した交通事故事例をご紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧ください。
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また、交通事故被害者のための専門サイトも開設していますので、そちらもぜひご覧ください。
投稿者プロフィール
法律の問題は、一般の方にとって分かりにくいことも多いと思いますので、できる限り分かりやすい言葉でご説明することを心がけております。
長年交通事故案件に関わっており、多くの方からご依頼いただいてきましたので、その経験から皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
■経歴
2005年3月 早稲田大学社会科学部卒業
2005年4月 信濃毎日新聞社入社
2009年3月 東北大学法科大学院修了
2010年12月 弁護士登録(ベリーベスト法律事務所にて勤務)
2021年3月 優誠法律事務所設立
■著書
交通事故に遭ったら読む本 (出版社:日本実業出版社)