婚約破棄の慰謝料等を獲得できた事例

2024年6月30日

こんにちは、代々木駅徒歩3分・新宿駅徒歩10分の優誠法律事務所です。

今回のテーマは婚約破棄です。

婚約破棄は離婚ではないですが、この場合も慰謝料やその他財産的損害を婚約相手に請求できることがあります。

今回は、当事務所で取り扱った婚約破棄の事例のうち、慰謝料や財産的損害として300万円の解決金を獲得できたケースについてご紹介いたします。

皆様のご参考にしていただけますと幸いです。

事案の概要~挙式1か月前に一方的に婚約破棄~

A子さんは、2020年末にB男さんからプロポーズされました。

その後、両家顔合わせや結婚式場の予約・打合せを経て、2021年9月には挙式予定でした。

しかし、A子さんは、挙式のおよそ1か月前に突然、B男さんから、気持ちが変わったので結婚はできないと告げられました

B男さんは、仕事の関係で海外に居住しており、A子さんも挙式後にはB男さんに帯同するため、自身の仕事を休職することが決まっており、海外渡航の諸々の準備も進めている中での婚約破棄でした。

B男さん側からは、解決金として100万円の提案がありましたが、A子さんとして納得できるものではなく、当事務所弁護士にご相談の上、ご依頼となりました。

その後、B男さんも弁護士を立て、弁護士同士で交渉を行うことになりました。

婚約破棄とは?‐婚約成立と不当破棄‐

婚約とは、平たく言えば結婚の約束です。

婚約が成立していて、それが不当に破棄されたとなれば、たとえ結婚していなくても慰謝料を請求できます。

婚約成立

婚約破棄を理由に慰謝料を求めるケースでは、婚約が成立していたかという点が争点になることが多いです。

ただプロポーズを受けたというだけでは、言った言わないの水掛け論になってしまうことが多いですが、婚約指輪や結納のやり取り、同棲、結婚を前提とした両家顔合わせ、結婚式場の予約等の事実は、婚約成立を推認させる事実とされることが多いです。

不当破棄

婚約が成立していたとしても、それを破棄する正当な理由があれば、慰謝料の請求は認められません。

婚約が不当に破棄された場合に、慰謝料の請求が認められ得ることになります。

例えば、婚約を破棄された側に不貞や暴力があるケースなどは、婚約破棄に正当な理由があり、不当破棄ではなく、慰謝料は発生せず、逆に慰謝料を請求されることがあり得ます

喧嘩や言い争いが増えたことを理由に婚約を破棄することが婚約の不当破棄になるかということが問題になることがありますが、居住地等、結婚後の生活の重要部分について一方的に変更するような場合は、不当破棄とされることもあります。

A子さんのケース

A子さんのケースでは、プロポーズの後、両家顔合わせや結婚式場の予約・打合せを経て、挙式まで1か月という時期でしたので、婚約成立自体は問題なく認められる事案であり、B男さんの代理人も、この部分は積極的には争ってきませんでした。

他方、婚約破棄の理由としては、B男さんの代理人から、A子さんからB男さんに対して結婚に対する不安を告げていたことや、夫婦間の問題についてA子さんの親族からの介入があったことなどが主張されました。

しかしながら、結婚について期待だけではなく不安を覚えるのは一般的な感性からしても自然ですし、親族の問題にしても、まずは婚約当事者間で話し合うべき問題です。

特に、今回A子さんはB男さんについていく形で海外に行くことになっていたので、A子さんの親族が心配する気持ちも十分理解できるものでした。

したがって、当方からは、今回の婚約破棄に正当な理由はなく、不当破棄である旨主張しました。

B男さんの代理人には明確に受け入れられたわけではないですが、ある程度納得していただけたと思います。

したがって、婚約成立と不当破棄のいずれも認められるため、賠償額がいくらとするかという点が問題になりました。

獲得金額‐慰謝料と財産的損害‐

婚約が成立しており、それが不当に破棄されたとなると、慰謝料等が発生することになりますので、次に具体的な金額が問題になります。

離婚の場合も慰謝料が問題になりますが、婚約破棄の場合は離婚の場合に比べ財産的な損害についても問題になることが多い印象です。

慰謝料

慰謝料額の相場は数十万から200万円程度とされることが多いですが、婚約期間や婚約破棄の理由、婚約破棄の時期などを総合的に考慮して決することになります。

例えば、婚約してからの期間が長かったにも関わらず、一方的な理由により婚約を破棄され、しかも婚約破棄が結婚式直前というような場合は、慰謝料が高額になります。

財産的損害

婚約後は、例えば結婚にあたって仕事を辞める、新居に引っ越しをすることなどがありますが、婚約が破棄されるとなるとこれらが無駄になってしまいます。

ほかにも、結婚式や新婚旅行をキャンセルする費用などが発生することもあります。

これらの財産的損害についても賠償請求することが可能です。

また、結納金については返還となることが多いです。

これらの財産的損害は、婚約破棄の場合の方が離婚の場合よりも問題になることが多い印象です。

A子さんのケース

A子さんのケースでは、プロポーズから10か月近く経過した挙式直前での婚約破棄であり、婚約破棄の理由もA子さん側からは理解し難い一方的なものでしたので、慰謝料は高額になるはずです。

また、結婚式場の申込金などが無駄になりましたし、A子さんは結婚に備えて休職することを職場に申し入れていましたので、これら財産的損害の補償も求めていく必要がありました。

当初のB男さん側の提案は100万円だったわけですが、上記の慰謝料や財産的損害からすると、100万円では到底足りません。

当事務所弁護士から増額交渉を行い、慰謝料や財産的損害の根拠について丁寧に説明をした結果、最終的に慰謝料と財産的損害を含めた解決金300万円で示談することができました。

まとめ

今回は、婚約破棄によって賠償金を獲得できた事例についてご紹介しました。

婚約破棄の場合、離婚と違って慰謝料の請求は無理なのでは?とお考えになる方もおられますが、そんなことはありません。

むしろ、婚約破棄は、これから生活の根本を変更しようとしていた矢先になされることも多く、財産的損害が問題になることは離婚の場合よりも多いとも言えます。

一方的な婚約破棄を受けた場合、ぜひ一度弁護士にご相談されることをお勧めします。

優誠法律事務所では、婚約破棄の初回相談は1時間無料ですので、お気軽にご連絡ください。

☎0120-570-670 

優誠法律事務所公式HPはこちらから

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

 栗田道匡 弁護士

2011年12月に弁護士登録後、都内大手法律事務所に勤務し、横浜支店長等を経て優誠法律事務所参画。
離婚や不倫に関するトラブルを多く担当してきましたので、皆様のお力になれるように、少しでもお役に立てるような記事を発信していきたいと思います。
■経歴
2008年3月 上智大学法学部卒業
2010年3月 上智大学法科大学院修了
2011年12月 弁護士登録、都内大手事務所勤務
2021年10月 優誠法律事務所に参画
■著書
交通事故に遭ったら読む本 (共著、出版社:日本実業出版社)